当ピアノ教室には、大切にしている4つの方針があります。

① 年齢に関係なく生徒さんとなかよしになります

お子さん自身が講師を受け入れ、心を開いてくれることで、これから始まる音楽レッスンがより楽しくなることを目指します。

レッスンが『しなければならない』『やらされている』という強制ではなく、『より良く・より上手になるためのアドバイス』としてお子さんが受け入れられる様に、まずはお子さんと友達になることを大切にしています

そのためには会話が第一。

通ってくださっているお子さんたちからも毎回、園や学校でのことや週末にお出かけした話など色々と教えてもらいます。

たまに盛り上がりすぎて「ピアノのレッスンってこと忘れてた!」ということもありますが、そんな日のレッスンはいつもより笑顔で、アドバイスにも集中して耳を傾けてくれているように思います。

ピアノなどのおけいこは嫌々やらされるのではなく、自ら学びたいという心を育てながら楽しく続けてほしいと思っています。

長くお付き合いするためにもまずはお子さんたちと仲良し(友達)になることが第一目標です。

② 自分の気持ちを発信できる子に育てます

何かを習う時は受け身になりやすいものです。

・分からないことを講師に言えなかった
・質問できずに帰ってしまい後々困った
・こんな曲が弾きたいと思っていたのに講師に言えず弾く機会がなかった

といったような「言ってくれればよかったのに」という事例を極力おこさないためにも、日頃からお子さんたちとの対話を心がけています

教室へ来たら、まずはリラックスもかねてピアノとはほぼ関係のない日常会話をしています。

また、その会話もイエスかノーで終わらないよう

「へー。それは先生知らないなぁ。それってどんなもの?」
「え?なにそれ?どういうこと?どうしたらいいの?」

と、とにかく話題を広げます。

初めは「うん」「知らない」の受け答えだけだとしても、少しずつでも自分の言葉で話をしてくれるようになるよう、色々な言葉かけや内容で会話をするようにしています

レッスン中もこちらからの教授・アドバイスばかりではなく、時には講師と交代でお子さんに問題を出してもらったり説明をしてもらいます。

「え?!自分が先生?」

と初めは驚いていますが、しっかり考えて自分の言葉でなんとか伝えようとしてくれるようになります。

受け身のみで学ぶのではなく、自分の言葉で説明し表に出す(アウトプットする)ことは子どもさんにとってもいい刺激になるので、レッスンの中に取り入れるようにしています。

まだ恥ずかしい、言葉にするのが苦手な時期のお子さんには、講師がわざと間違った例を見せ、どこが良くないのかの指摘をしてもらいます。
こういったやり取りを行っていくうちにお子さんからも自然と言葉が出てくるようになります

ピアノや音楽以外の場面でも自分の想いや考えを言葉にすることは大切です。

・自分の想いを言葉にできる
・相手にきちんと伝えられる
・分からないことを素直に伝えられる
・どう分からないのかを説明できる
・アドバイスを柔軟に受け止めチャレンジしてみる

また、対話をするということは『相手の話を聴くこと』も大切です。

『聴く力』がつくということは、相手や新しい物事を受け入れる柔軟な心も育っていることになります。

発信力をつけながら、音楽や社会でも必要な『聴く力を育てる』ことにも力を入れてレッスンしています。

③ できるようになったことをほめて伸ばします

「もう〇歳になったね」
「お姉ちゃん・お兄ちゃんになったね」
「頼りにしてるよ」(高学年さんなどに)

と、常に大人扱いで接するようにしています。

『大きくなってきたから次のステップへ進めるんだ』

という成長することへの喜びと、ステップアップしたいという気持ちを育てていきます

2~3歳さんであれば、

・レッスンのあとのお片付けが自らできる
・きょうだい児さんのレッスンを静かに待てる

もう少し大きくなってくると、

・レッスン中は丁寧語で話すことができる
・椅子の高さ調整が自分でできる
・分からないところを自分から質問できる

こういった成長面もしっかりみつめ、本気でほめています。

挨拶
片付け
準備
待つ
聞く(聴く)
レッスンと部活との両立

など、成長と共に日常的にも行えるようになってきたことをほめ、

「すごいねー!」
「じゃあ次はこれもできるかな?」
「やってみようか!」

と、チャレンジしてみようという気持ちを促し、やる気の種を蒔いていきます

④ どんな時でも笑顔で送り出します

元気にレッスンに来て、楽しく順調にレッスンが進む・・

毎回そうであればいいのですが、もちろんそうでないこともあります。

・今回の曲は苦手だった
・練習したのに教室ではうまく弾けなかった
・練習不足で弾けなかった
・練習しなさいと家で怒られた
・幼稚園でたくさん遊んだので疲れていた
・まじめにやりなさいと親御さんに叱られた

それがたまたまであったり、自分でもできない原因が分かっている場合もあり、お子さんたちの心の中もいろいろな葛藤がおきています。

そんな時はお子さんの性格や年齢などを考慮しながら声掛けをしますが、その先にある『よし。もう1回頑張ってみよう』と思えるしなやかで強い心を育てていきたいと思っています。

なぜできなかったのか、できるようになるためにはどうしたら良いのかをお子さんと一緒に考え、一緒に練習に取り組んでいきます。

そして、どんな出来事があってもレッスンの最後はいつもと同じように、笑顔で「また来週ね!」と元気に送り出すようにしています。

「またいつものように(レッスンに)来ていいんだ」
「先生はいつもと変わらないんだ」

と、お子さんたちにとってここ(教室)は安心できる場所、安全な場所であり、『よし!もう1回頑張ってみよう』と思える、しなやかで強い心が育つ場所であればいいなと思っています。